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○総合司会
それでは、引き続き「舞台芸術運営論」の演劇部門についてご講義をいただきます。
最初に、お二方の先生のご紹介を申し上げますが、山下徹先生は、現在、株式会社シアター・ドラマシティの制作部長の要職におられます。また先生は、これまでもプロデューサーといたしまして、梅田コマ劇場での作品として萬屋錦之介公演の「一心太助」「春秋忠臣蔵」あるいは宝塚歌劇ドラマシティ公演など数多くの公演を担当されておられます。
それから、前田純一郎先生は、現在、大阪府の財団法人貝塚市文化振興事業団コスモスシアターの専務理事の要職におられます。また先生は、これまでNHKに籍を置かれまして、東京と大阪局においてテレビドラマの制作、あるいは演出にも携わられておられます。その後、NHKウイークリー「ステラ」編集長の要職にもつかれ、平成4年に先ほど申し上げました事業団の専務理事にご就任をされております。
それでは、演劇部門の「舞台芸術運営論」について、民間企業のお立場でこれまでの演劇など、制作とその作品の上演を交えてお話をいただきたいと思っております。
それでは、前田先生、よろしくお願いします。

 

○前田 
おはようございます。ご紹介いただきました前田でございます。
貝塚といいますのは大阪市と和歌山市のちょうど真ん中あたりにある大阪湾に面した町です。
今から4年前ですが、貝塚市が市制50周年に、その記念にホールをつくって、自主事業をやるような体制ということを貝塚市が考え、館の運営菅理とソフトの企画制作ということをやるために、貝塚市振興事業団というのをつくりまして、私などがその仕事をやらせていただくということになりました。
貝塚市文化振興事業団、愛称コスモスシアターでは、いろんな事業をやっています。音楽もクラシックやポップス、演劇、ミュージカルなどなどジャンルはいろいろです。その中で私が根っから芝居好きですので、やはり演劇公演ということについては大変に関心を持って、努力をしているんですが、公共ホールの仕事の中で一番難しいのは演劇公演ではないかと思います。なかなかお客さんが来てくれません。お客さんは、例えばアンケートなどの「観たいものは?」という項目では、演劇とかミュージカルとかというところに○をしてくれるんですけれども、本当に好きなのかどうか、そういうものをやってもなかなか来てくださらない。お客さんのニーズというのがなかなかっかみにくいジャンルだと思います。

 

 

 

 

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